初診〜手術までの流れ

切らない筋腫治療センターでの標準的な流れをご紹介します。

初診

完全予約制ですので電話で予約してください。紹介状は不要です。初診当日にMRIを撮り子宮筋腫の状態を評価します。
MRI撮影に望ましいのは、生理の直前から生理の2~3日目ですが、それ以外でも可能です。

「症状と経過、希望する治療」について お尋ねします。これを踏まえ、MRI画像を解説し、「可能な治療、適する治療、治療した場合としなかった場合の見込み」について説明します。十分に理解していただけるように、質問、相談に応じます。
子宮筋腫内視鏡手術の適応と術式の検討において、婦人科で必須の検査と考えられてきた「内診」という性器への触診は、有用な情報が得られるものではないと考えますので、症状と経過についての問診と詳細なMRIを重視し、初診時には原則として内診はしません。

初診時に「どのような手術をするか」を、決めていただかなくてもかまいません。手術を希望される場合は、手術までに1回~6回の注射(リュープリン)をします。この注射は、子宮筋腫の縮小と子宮内膜の萎縮を起こします。これにより、手術時の出血を減らし安全性を高めることができます。初回の注射は、原則として生理開始から5日以内に行ないますが、この予約は初診時にはしません。

通院

手術の希望が決まり生理が始まれば、電話でリュープリン注射の予約をし、開始から5日以内に受診してください。
2回目以降は生理の出血はなくなります。2回目以降の注射は4週間ごとになりますので、注射をした日に次回の予約をします。
1回の注射で手術可能な場合は、注射後3~4週間後が手術日になり、この時に次に示した術前検査を受けていただきます。

複数回の注射が必要な場合は、それだけの通院回数が必要となります。子宮筋腫の縮小効果は経腟超音波で測定し評価します。
注射の回数は、初診時におおむね決めますが、縮小効果により増減します。
リュープリンの副作用は、すべての人に現れるわけではありませんが、毎回お尋ねし、必要に応じて漢方薬を処方します。
貧血があれば、並行して手術までに治療しておきます。

リュープリン(一般名はリュープロレリン酢酸塩)は、ホルモン剤の一種で、子宮内膜症や子宮筋腫、閉経前乳癌、前立腺癌などの治療に使用される薬です

術前検査

当施設の子宮筋腫内視鏡手術は、すべて全身麻酔で行なっており、専任の麻酔科専門医が管理します。 手術日が決まれば、麻酔・手術が安全に完遂できるように、手術の約4週間前までに健康診断のような「術前検査」を受けて受けていただきます。 手術日は、火曜の午前と午後、水曜午後、金曜の午前と午後で、1日に2~4件の手術を行なっています。手術に要する時間は患者さんごとに異なり、長時間が予測される手術を同日に複数行なうことを避けるため、手術予定は2か月先の1か月分を一括して月末に決めています。 最終のリュープリン注射後、およそ3~4週間後が手術日になります 。

自己血輸血

他人の血液の輸血を回避するため、患者さん自身の血液を採血し保存しておきます。腹腔鏡手術では 手術の 2~4週間前に 400mを採血します、子宮鏡手術では行ないません。

入院・手術

手術予定日の前日より入院します。
子宮鏡手術では 手術の翌日に退院できます。
腹腔鏡手術では 手術の翌日より、歩行、食事ができ、翌々日くらいからシャワーと洗髪も可能です。7日後に退院します。
手術当日朝に、ご家族に同席していただき術前説明を行ないますが、手術当日に来れない場合でも手術は可能です。
患者さんご本人には、退院までに「手術中にわかった子宮筋腫の実際の様子と、どのような手術を行なったか」について、手術時のモニター画面の録画で説明します。自身が受けた手術についての情報・記録として、摘出した子宮筋腫の写真をお渡しします。
悪性ではないことの確認のため病理組織検査を行いますが、結果がでるまで2週間程度の時間がかかるので説明は退院後になります。

退院後通院

子宮鏡手術では 退院後 約 1週間後と 3か月後の2回の通院が必要です。退院後1~2日の休業をお勧めしています。
腹腔鏡手術では 退院後 約2週間後と3か月後の2回の通院が必要です。初回診察までの休業をお勧めしています。